24時間換気で室内のほこりは増えるか?

 夫婦ともに花粉症というOさんは、「24時間換気をしていると、給気口を通して外から花粉混じりのほこりが入ってくるような気がする」と話す。
 もし換気をすることで花粉混じりのほこりが室内に入り込むのであれば、花粉症の人にとってはつらい。24時間換気をすることによって、室内のほこりの量は本当に増えるのだろうか。
 デジタル式の測定器を使って実際に確かめてみることにした。測定器の性能上、花粉だけを取り出して調べることはできなかったため「花粉を含んだほこり」としてとらえ、換気設備を運転しているときと止めたときで室内に浮遊するほこりの量に違いがあるかを調べた。さらに、「部屋の窓や玄関扉を開ける」「掃除機をかける」など、室内空気中のほこりの量に影響を与えそうな生活行為をしたときには、その時刻を記録してもらった。
 測定値が示した室内のほこり量が大きく跳ね上がったのは、換気の有無に関係なく、「外出や帰宅時に玄関扉を開けた」「掃除機をかけた」「窓を開けた」「調理時に台所の換気扇を運転した」とき。人の動きがない夜間の数値を比べると、「換気あり」のときの最低値は「換気なし」のときの約2倍になったものの、人の動きによる影響に比べるとはるかに小さかった。
 室内のほこり量には、24時間換気よりも生活行為のほうが、より大きな影響を与えているといえそうだ。
(細谷陽二郎/日経ホームビルダー副編集長)

◆詳しくは、日経ホームビルダー2005年5月号「検証!住宅性能」で